◎震災復興から耐震補強へ
阪神・淡路大震災の復興・調査を担当させていただき、建物の耐震性能・耐震補強の重要性を、
より以上に、感じ、考えるようになりました。
その後、住宅・学校・病院・工場、等の耐震補強を
担当させていただきますが、
明治時代に運用を開始した、
水力発電所の耐震補強工事で、
構造品質保証研究所のSRF工法と
出会うことになります。
耐震診断・設計に基づき、壁をめくって柱を増やす。
筋交いを増やしたりを行いますが、基礎と土台・柱との緊結にSRF工法が採用され、自らも施工を行ってみましたが、とても有効で効果的な工法だと感じました。
木造SRF工法とは?|《SRF工法》構造品質保証研究所<SQA>
阪神・淡路大震災の調査で判明した倒壊原因の一つに、基礎の上に載る土台の、木材の痩せにより、固定するナットが緩み、基礎と緊結されていない木造住宅が多くございました。容易に手でも回ってしまいます。
これは、床下に入れば確認できますので点検をお勧めいたします。そして重要なのが基礎に亀裂が入っていないか。その部分に水が浸入し、基礎構造の一体となるべき鉄筋も腐ってしまいます。この亀裂の補強はSRF工法で行えますし、RC造の建築物でも耐震補強・性能実績が多くございます。
また、他の工法よりも安価で効果的・合理的に耐震補強が行えます。
〇品質管理・検査が重要な今
設計・管理・施工と、一貫して行うのは日本だけです。
たとえばアメリカでは設計と管理も別に行われます。
公共工事では昔から、設計管理と施工は別に行われましたが、最近は管理も別の設計事務所が行い、
より公平性と品質性能が向上するようになりました。
また、木造住宅については、未だ、設計・管理・施工を1社で行うケースが多く、品質については懸念されている状況です。そして、建設業界の深刻な現状の一つに人手不足があり、それに伴う、管理者・職人さんの経験不足による品質低下が現実とし、問題視されております。
今、一級建築士、等の専門家が建築主様からのご依頼により行う、第三者検査が益々増えてきています。
∞新たな定期報告制度の施行
ホテル・グループホーム・診療所火災など、多数の死者が出る火災事故が続いています。
これらの事故において被害が拡大した原因の一つとし、建築物が適法な状態で管理されていなかったことが掲げられ、こうした事態を踏まえ、今般、建築基準法が改正され、平成28年6月1日から、新たな制度が施行されることとなりました。
定期報告対象の建築物等は、ホテル・病院・福祉施設・共同住宅、等で、対象となる用途の建築物はこれ以外にも増え、建築設備・昇降機に、防火設備が新たな対象に加わりました。
たとえば共同住宅は3年毎に、一級建築士、等の専門知識を有する資格者に、定期的に調査・検査をさせ、その結果を特定行政庁に報告(定期報告)する義務があります。
なお、報告を怠ると法違反となり、罰則規定の対象となります。
また、外壁タイルの浮き(剥落すれば通行者に危害)等、要是正がある場合は、報告を受けた特定行政庁は、所有者等が、もし速やかに是正する意志がない等の場合には、必要に応じて是正状況の報告聴取や是正命令を行うこととなっております。
◇ストック&リノベーション
SDGs「持続可能な開発目標」の観点・取組みからも、
建築の世界でも、スクラップ&ビルド(解体して建替え)からストック&リノベーション(耐震補強含む)へと舵が切られています。
国土交通省では、「令和12年までに耐震性が不十分な住宅、令和7年までに耐震性が不十分な耐震診断義務付け対象建築物をおおむね解消する」ことを目標として掲げていますが、定期報告制度による、既存不適格建築物(心療内科クリニックの放火火災では二方向非難が取れていない)も多く、この是正も進んでいません。
民間マンション(特に賃貸)、住宅では、入居者事情・費用面、等により、なかなか進みませんし、進むような予想はされていません。
また、木造住宅等においては、基礎から上部の建物をいくら補強しても、地盤が軟弱な場合は、地盤・基礎の補強が一番重要となります。
そして、昨今の台風等による屋根が吹き飛ばされる等の被害に関しても、行政では基準・指針が設けられました。
□ コロナ渦以降の働き方
昔の作業所長は自ら作業しなくても、部下や業者さんに指示だけできればよかった。
測量・墨出し・図面作成・書類作成・官公庁協議及び書面作成・現場管理・雑作業、等。
今、年功序列から成果主義に、学歴社会は崩壊と言われ、外国人労働者は益々増加し、
パソコンを使える人を使えばよかった時代も過去となり、益々進化するAI・IT・PC、
パソコンを使えない、検索できない、最新情報得れずどんどん取り残されていく。
手柄は自分、失敗は若いからと分かったふりするも分かっていないのはお見通し、
お客様はお若い世代となり、要求されることも内容も、進化し多様化しています。
そして個人の、仕事に対する能力・成果が評価される時代は益々加速しています。
野球選手・棋士・アーティスト、今、若者の人間力は世界でも認められています。